本を開くと、突然こんなふうに印刷機に話しかけられる『ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ』。著者はロシア文学研究者であり翻訳家の奈倉有里さんです。さて、印刷機は何に困っているのでしょうか。どうやら、最近物騒な内容の本を印刷させられる仲間たちが多く、”彼ら”の心が疲弊しているようなのです。そこでこの印刷機は読者に何も印刷されていない「白地図」を手渡して、「ことばと心の旅」に出てほしい、と訴えます。